2024/03/21 07:12

もう1ヶ月以上前のことなんですけど

老人ホームに入ってるお袋がこけて腕を骨折したのですよ

よろけて手をついた時に親指の付け根あたりの手首をやっちまったようです

まあ年寄りにはよくあることですな

それほど大事には至ってないものの

右手は固定してるので左手しか使えず

足腰もだいぶ弱ってますので当分は車椅子が必要なため

整形外科に通院するのに何度か連れて行ってやっていたのです

家からホームまでは小一時間掛かりますので半日仕事です

めんどうなことしよったなあ~なんて内心思いましたが

こればっかりは誰のせいでもないので仕方ないですわな

で 先日の診察の時

診察室で一緒に先生の話を聞いてる時ふと

自分の幼い頃の記憶が頭によぎりましてね

管理人は子供の頃しょっちゅう熱出してたんですよね

お袋に近所の内科に連れられたのをかすかに憶えています

今は立場が逆になってることがなんか不思議に感じましてね

おかんもこうなふうに医者連れてってくれたなぁ~

おかんも心配やったんやろなぁ~

おかんもこんな衰えよったんや。。。

なんか一瞬 泣きそうになりました


お袋は京都人まる出しと言える性格です

他人に対して懐疑的で排他的なところがある一方

けっこう背伸びをしたがるんですよね

ただ京都の人たちの名誉のため言っときますと

貴族や公家が牛耳っていた格差社会という土壌の中で

庶民が生き抜くための知恵が性質に根付いたのでしょうな

ある意味賢い生き方とも言えなくもないのでしょうか

人を見たらまず疑え!的なもんですかね

管理人も結婚するまではずっと京都だったのですが

経験上言わせてもらうと京都人的性質は正直苦手です

なのでお袋の性格も昔から嫌いでしたし

主観的な考えを長いこと植え付けられていたこともありました

子どもの頃は親の言うことに疑問を抱かないのでね

親としては子のためを思ってのことなのかも知れませんけど…

まあ過ぎ去った事の正誤は今さらどうでもよいですが

母親としてはやっぱり感謝してるし

育ててくれた恩と言うものは決して忘れてはならないです


仏教的な話になりますけど

この世のあらゆるものは因と縁で成り立っている...

というのは何度も言ってることです

特に深い関係である親子や夫婦は強い因縁によるものだと言えます

それらも幾世の過去からの長い長い縁の繋がりがあるのですよ

で 過去世ではどのような関係だったのかは現世を見ればおおよそ想像がつきます

仲良し親子や仲良し夫婦は過去世でも仲良しと言うか

お互いのことを思い合っていた関係と言えます

たとえばこういうことが言えるのですよ

仲良しの親子は過去世では親と子が逆だった

仲良しの夫婦は過去世では夫と妻が逆だったというケースが考えられます

あるいは仲良し夫婦は仲良し親子だったまたはその逆ってこともあります

現世とは異なる立場であったが故に

相手の気持ちや立場というものが素直に理解できるのです

仮に少しぐらい揉めても話し合うことですぐに解決するのです

逆にいがみ合う親子や夫婦はどうでしょう

もちろん過去世でもバチバチやり合ってたんですわ

このケースで考えられるのは親は幾世の過去でも親であって

夫は幾世の過去でも夫であったわけです

主従関係で言えばずっと主なわけです

となるとこうなるのです

子供は親の言うこと聞いとったらええんじゃ~!

夫に口答えすなっ!女はだーっとれっ!

ってな具合に相手の気持ちや立場がまったく理解できないのです

そうなると話し合うこともままならず改善することはありません

まさに水と油ですな

これは主従関係の因縁というもので

差別偏見や固定観念が強い人はどちらかの縁に固着してしまうのです

一方的に主ばっかりの縁では従の気持ちがまったくわかりませんし

逆に従ばっかりの縁では常に不平不満に悩まされます

ちょっとは相手の気持ちもわかってやれよ...なんて諭しても

まるで思うことすら出来ないのですよ

自分は悪くないすべてあいつのせい!

でもね そんな一方的な屁理屈は仏教では通用しません

たとえ無差別殺人であっても殺される方もそれなりの過去世の悪業があるわけです

理屈では納得出来なくともすべて自分が蒔いた悪い種なのです

何度も繰り返した数々の過去世において

時には主であったり時には従であったりして

お互いに良好な関係を保とうと良い種を蒔き続けた人こそが

相手の立場や気持ちが理解できるのです

そんなんその人の性格や~ん…ってひと言で片付ける人もいますが

そういう性格をつくるのも因と縁であることを忘れてはいけません

さっきの京都人の性質にも言えるように

歴史的背景(過去世)や社会的土壌(現世)における行為が因と縁を生じさせます

ほんと因縁って恐ろしいものですし

またとても素晴らしいものでもあります

この真理は全人類にとって最も重要なことです

戦争や平和を決めるのもこの真理によるものです

個人を国家に置き換えると容易に想像できますよね


ブッダはいわゆる先祖供養というものについては一切語っていません

ただ随所でよく言われたことがあります

父母を大切にしなさい…

ありきたりのことばのようですがよくよく考えてみると

今を生きている親こそが自分にとって一番濃い先祖なのですよね

そのひと言こそが本当の仏教の本当の先祖供養なのだと

管理人はそう理解しています

たとえ嫌いであっても

恨んでいたとしても

自分がこの世に存在する上で持つべき根底的なものは

やっぱり感謝の気持ちなのですよね


怪我をきっかけにと言ったらヘンですけど

どのみち先の長くない身ですので

余生は出来るだけ快適に過ごせるようにしてやりたいとあらためて思いました

元気な時は年甲斐もなく気丈な京都人のノリですが

医院の待合室で柄にもなく

忙しいのにありがとうな。。。

なんて消え入るようにポツリと言うもんだから

こっちとしても返事に戸惑いながらも

別に忙しいことないわい。。。

って無愛想に言ったら

ちょっと安心したのか

頬が少し緩んだような気がしました



桜が咲いたと思ったら・・・



管理人のひとり言