2023/06/20 20:04


アマゾンプライムで「LAMB」という映画を観ました

ラムは仔羊のことですので

最初はてっきり動物ほのぼの系なのかなと思いましたが

解説を読んでみるとそうでもないようで

ジャンル的にはファンタジーホラーになるのかな

でもそんじょそこらのホラーではないんですなこれが

作品全体にわたる得体の知れない不穏な空気

それは「怖い」というものではなく

ある種の違和感とでも言うか

なかなか今までにないタイプの作品です

前半部分だけざっくりとストーリーを言います

舞台はアイスランドのへき地

陰鬱な白夜がまた独特の不気味さをかもし出します

羊飼いとしてひっそりと暮らす夫婦

ある日 一匹の雌羊が子を産みます

その子は胸から上と右手が羊でそれ以外は人間でした

夫婦は驚き戸惑いましたがその子を育てることにしました

そして名前をアダと名付けました

実は夫婦は過去にアダという子を幼くして亡くしていたのでした

沈みがちだった夫婦の心は新たなアダによって少しずつ幸せを取り戻します

特に妻は本当の我が子のように溺愛します

一方でアダを産んだ母羊は毎日家の周りを執拗にまとわりつきます

昼夜を問わず窓の外で鳴き声をあげます

そりゃ実の我が子ですもんね

ある白夜 我慢の限界に達した妻は母羊を銃で撃ち埋めてしまうのです…


海外では結構評価されたようですが

日本でのレビュー感想は割と酷評が多いのですよ

おそらくその理由は

この作品がキリスト教を暗示しているからでしょうね

キリスト教も仏教と同じく因果応報を説きますし

何かに固執することを戒めます

宗教観のある人にはわかる?と言えば語弊がありますが

ま 日本人が宗教に疎いって言われるところですかな

管理人的にはこの夫婦とアダがどういう展開になるのかが気になり

結構最後まで画面にクギ付けになりました

たとえば 将来夫婦が死んだ後はアダはどうやって生きていくんだろうとか

母羊とも一緒の時間を持たせてやれば良かったのに…とか

思いっきり作り話の世界なのに気になっちゃうんです

観る人にこういった気持ちを持たせること自体

この作品は成功だと言えるのでしょうけどね

その理由はきっとみんなに共通すると思います

とにかくアダちゃんが可愛いんですよ

仕草が何とも愛らしい

言葉はしゃべれないんですが

人の話は理解出来るようです

ん、ん…って素直に小さく頷くあたり

やっぱり半分羊なので従順なのかな

登場人物の誰もがアダの愛らしさに魅了されるように画面を観ている私たちも同じ様に魅了されます

ですが・・・



キリスト教は愛を説く宗教と言われます

しかし仏教では愛は執着と見なします

よく誤解されるところですが

愛という言葉のニュアンスの違いだけで思想は同じです

キリスト教で言う愛は仏教で言うところの慈悲に相当します

それは我が子であろうが隣の家のハナタレ坊主であろうが赤の他人であろうが

万人に対する慈しみの心というのが

キリスト教の愛であり仏教の慈悲なのです

この妻のアダに対するものはまさに愛欲つまりは執着そのものです

キリスト教系の神話で頭が羊の悪魔が登場するのがあるそうです

神話の内容はわからんですが

この作品がキリスト教をモチーフにしているとすれば

やっぱりアダちゃんは悪魔の子ってことになるのでしょうか

確かにアダの出現によって人に愛欲が生じて執着した結果

他の命を奪うという罪を犯したわけですからね

ただそれはアダが悪なのではなく

自らの心にある悪魔が具現化したわけです

この妻で言えば 我が子を失った悲しみの呪縛から逃れられずにいることです

まあベタなホラー映画なら成長したアダが母殺しの復讐ってなことになるのでしょうが

この作品ではアダは最後まで愛らしく従順な幼子です

それだけになんか切ないというか

アダちゃんが不憫なんですぅ~(☍﹏⁰)

そのような情を誘うことが魔性ってやつなのかも知れませんけど…

結局言えることは

真の悪魔ってのは人の心に棲み付いているんですよね

ほんと観る人それぞれの解釈がある作品です

訳わからん人もいるでしょうけど…

ま それが映画の醍醐味っす (^o^)




草食っとる。。。

ワンコのくせに羊かっ!

なんかアダちゃんとサラっちが被ってしまいましたわ

顔白いので・・・

可愛いものに溺れることなく

可愛くないものも

憎たらしいものも

気持ち悪いものも

すべての生きとし生けるものに

慈しみの心を…(o˘◡˘o)


管理人のひとり言