2023/05/19 21:48

「土を喰らう十二ヵ月」という映画を観に行きました

先日の百万遍市でお客さまと話が盛り上がりましてね

その方 ずっとジュリーの大ファンだそうで

この映画の存在を教えていただきました

昨年の秋に公開されたようですが

京都のとある映画館でリバイバル上映中ということで

さっそくネットで予告編を観たところ

管理人もののも急にノリ気になりまして

久しぶりにふたりで観に行こうかってことになりました

管理人は映画館行くのは3年以上ぶりですかなぁ

ののに至っては余裕で10年以上ぶりです

若い人は知らんかもなので念のため言っときますが

ジュリー=沢田研二さんね

ザ・タイガースというグループサウンズのボーカルだったジュリーです

グループサウンズって懐かしいワードですなぁ

ショーケンのテンプターズとか

マチャアキのスパイダースとかね

特にジュリーは解散後もソロで独特のジャンルを築き映画でも活躍してました

まさに元祖カリスマエンターテインメンターですわ

余談ですが

管理人が昔住んでた地域にジュリーの実家がありましてね

そのへんの人はみんな知ってました

ファンのおねえさんたちから

「ジュリーの家どこですか?」ってよく聞かれましたよ

少年の私たちはジュリーの家を知ってることに鼻が高い気分になったものです

ま そんな華やかなイメージがずっとあったのでね

そのジュリーも今や何歳だっけ?

それなりにちょっとタルってなったなと。。。

でもこの映画を観て思いましたよ

確かにタルってなってるけど

この人は死ぬまでエンターテインメンターやな


なんと言っても気に入ったのがロケーションです

私たちが好きな信州が舞台です

真っ白な北アルプスの山並みが目に飛び込んできた時

2年前の春に行った思い出と重なりました

冒頭シーンのトンネルを抜けたところに広がる大パノラマ

あっ ここ行った場所やん

信州と言っても色々な場所のシーンをくっ付けて全体を作っているので

現地を知ってる者にすればツッコミどころはありますが

まあ映画とかドラマでは当たり前の手法です

でも大自然に抱かれたイメージはよく伝わりました

ストーリーは緩やかにそれでいて淡々と進みます

沢田研二さん扮するのは山里の古民家にひとり暮らす高齢の作家

彼は13年前に妻に先立たれ そのお骨をまだ家に置いたままでいます

子供のころ禅寺に小僧として奉公に出ていた経歴があり

そこで覚えた精進料理の知識を頼りに自給自足の食生活をしています

彼の齢の離れた彼女?は松たか子さん扮する東京の出版編集者

原稿の催促のために定期的に訪れる彼女は食いしん坊で

いつも彼の手料理を美味しそうに食べます

このシーンがひとつの見どころでして

観賞中にお腹がぐるぐるなってしまいましたわ~

料理研究家の土井善晴氏が料理の監修をされたそうです

なのでこういう系の映画かぁ~と最初は思いましたが

いやいやなかなか深いんですよ~この作品

ネタバレになるので詳しくは書きませんが

もちろん感じることは人それぞれ違いますし

作者の意図とはまったく別のものになるかも知れませんが

ここではあくまで管理人の仏教的視点での感想です

最終的には生死観ということになっています

まあ主人公の年齢や境遇から察しがつきますが…

彼が小僧時代に覚えた唯一のお経が般若心経です

シソの葉を絞りながら口ずさんだり

義理の母のお通夜に代表で唱えたり

意味はわからんなりにそれですべて行けるやろ…的な

現実でもそういう人は多いです

般若心経は空(くう)の概念を説くお経ですが

正直言ってつかみどころがないと言うか

実は管理人もいまいちしっくり理解できてないんですよね

いちばん有名でポピュラーなお経ですけど

ぶっちゃけいちばんわからんお経なのですわ

でもある時からそれでいいのだと思い出しましてね

1+1=2みたいにきっちり正解が出るものでもないし

また正解が出てもいけないものだと薄々感じました

人はいつか死ぬのがわかっていながら

死にたくないと思うのです

そして死なないために日々何らかの生命を食して生き延びるのです

考えてみればむちゃくちゃ身勝手で矛盾なんです

きっちり正しい答えがないというのがすなわち生きるということなんですよね

だとすればあれこれ考えること自体が無意味

今生きている だたそれだけの話

それが空(くう)の意味なのかな…って


京都みなみ会館という映画館です

昔の旧館は九条通りの向かい側にあって

成人映画とかキワモノ系のイメージがあったのですがね

管理人も今回初めて行ったのですが

新館は小さいながらも小ぎれいな映画館です

昔のイメージは完全に払拭され

製作費を抑えた良作や昔の作品を上映しています

本当の映画好きが通うような映画館ですね

穴場的で良かったです

まあ今後は東山方面のランチ会は卒業して

年に一回ぐらいはここで映画を観て帰りに京都駅周辺でランチ

ってなパターンになりそうですな(^-^)



管理人のひとり言