2019/09/22 12:26
暑さ寒さも彼岸まで とはよく言ったもので
これからは秋の良い季節になりますね
彼岸は春分と秋分のことですが
ちょうど夏至と冬至の真ん中 どちらも夏と冬の中間ってことですね
そこでちょっと疑問に思いませんか
春分の日にくらべて秋分の日の方がぜんぜん暑いですね
その謎は単純です
海や地面が保温されてるんですよね
特に海水は 秋分になっても日本周辺はまだまだ暖かいんです
湯たんぽでもわかるように 水の保温力って意外にあるんです
一方で これが台風発生のメカニズムでもありまして
温暖化の影響もあるんでしょうか 近年の台風は想定外です
昨年近畿圏を襲った台風の衝撃も冷めやらぬまま
今年はほんとうに狙ったように関東首都圏を直撃しました
被害に遭われた方々にはこの場をお借りしてお見舞い申し上げます
いまだ停電復旧されていない地域もあるようですが
実は昨年の近畿の方が停電戸数ははるかに多かったらしいです
にもかかわらず復旧が早かったのは 阪神淡路大震災の経験があったからだと言われています
ちょっと不謹慎な言い方かも知れませんが
日本のふたつの大都市圏を 天が試しているみたいにも思えます
西は何とかがんばりよった 東もがんばれよ!…みたいな感じで
近い将来起こるであろうとされている南海トラフ地震に備える意味でも
この経験は決して無意味ではないと そう信じています
スクラップ・アンド・ビルドじゃないですが
繁栄と破壊…そしてまた復興と
世の中はすべて これの繰り返しのように思えます
さて 今日の仏教談義ですが
お彼岸ということで 「中道」という真理についてのお話をいたします
中道とは偏りのない中間的な考え方を言いますが
これは決して どっちもつかず ってな曖昧な意味ではないんですね
真理に従った自我のない思想... とでも言えばいいでしょうか
一国の王子として何不自由ない生活をしていた青年は
苦しみからの脱却を見出すため 何もかもを捨てて出家します
なぜに王子様が?と思われるでしょう
そのきっかけになったといわれる「四門出遊」という逸話がありますが
今日のテーマとは話の筋が違いますので説明は割愛いたします
で 苦しみから脱却するには より苦しい体験をすれば克服できるのではないかと
最初はただ単純に考えたのです
というか 当時の出家修行者はみんなそう考えていました
青年はありとあらゆる苦行に専念します
同じ修行仲間が心配するほどの激しい苦行だったそうです
やがて頬はこけ 身体は骨と皮だけになり
まるで死人のように生気は失われていきました
ある日ついに青年は力尽き倒れます
そこをたまたま通りがかったスジャータという村娘から 一杯の乳がゆを施されます
乳がゆを飲み干した青年は 体内にエネルギーがよみがえってくるのをまざまざと感じました
するとふと どこからともなしに 琴を弾く歌声が聞こえました
「琴の弦はしめすぎると切れ 弱すぎると音が出ない 中くらいにしめるのが ちょうど良い」
青年は苦行を離れ 菩提樹の下で静かに瞑想に入り
やがて 悟りを開いた人ブッダとなったのです・・・
王子としての贅沢極まりない暮らし
死の淵に立った苦行の日々
両極端を経験した人間だからこそ中道を悟ったのでしょうね
余談ですが コーヒーにいれるミルクのスジャータはここからつけられました
ブッダが経験したことは両極端の最たるものですが
私たちも日々の生活の中で 中道がどういうものなのかを意識するべきだと思うんです
たとえば 世の中の仕組みそのものについても言えることなんです
民主主義は代表者を選挙で選びますが
異なる意見をそれぞれに支持 あるいは逆に否定する人は一定数います
両極端とは言いませんが 個人的思想の違いです
もちろんそういう議論はある程度必要だとは思います
だからこそ民主主義なんですから
しかし現実を直視してみてください
世の中はどんどん便利にはなりますが 決して良くなることはありません
現代社会では自由が尊重され過ぎて みんな好き勝手するようになりました
なので 中道を見ようとする人がいなくなっているのです
相反する意見を公平に真剣に客観視することが出来ないんです
これは逆に封建的な独裁主義の世界でも同じことです
自由も独裁も どちらも偏った思想なのです
異なる意見の支持者が一定数いるということは
どちらが正でも誤でもないという証拠です
多数が正義でもなく 少数が正義でもありません
力のあるものが正義でもありません
正義を語った時点で それは中道から外れます
こぶしを振り上げて叫ぶ主張こそ 極端なエゴと知るべきなのです
泥沼化する日韓関係や米中貿易摩擦や中東情勢もしかりです
最悪には武力衝突にまで発展しかねないんです
それを決定するのは 大勢の中の選ばれし者です
それぞれが思い描く理想郷は必ずしも 他者にとっても理想郷なのではありません
ブッダが常々言われていたこと
「真理を見る者は極めて少ない」
大勢の中から選ばれた責ある代表者はせめて
その少ない中のひとりであってもらいたいものです
ついシリアスな話に没頭してしまいました・・・
長くなって申し訳ないっす
お彼岸スペシャルとでも思ってください
で お彼岸と中道の関係なんですが
彼岸とは三途の川をはさんだ向こう岸という意味で
一般的にはあの世という解釈をされていますが
正確には悟りの境地ということです
太陽が中間の位置に来る彼岸の日に
中道を説いた仏様を称えて拝むのです
あと これとは違う彼岸説の宗派がありますので念のため記しておきます
おうちが浄土宗や浄土真宗などの方はこっちでしょうね
浄土教の西方極楽浄土という思想です
太陽が沈む西の方向に極楽浄土があって そこには阿弥陀如来がおられるんです
で 年に2回 太陽が真西に沈む彼岸の日が 極楽浄土と通じる時であると信じられています
そういう理由でこちらもお彼岸に仏様を拝みます
まあ どちらの説にしても
お彼岸は死んだ人の供養のためにするんじゃないんですよね
仏様を拝むんです
全国的行事でご先祖の供養をするのはお盆だけです
昨今ニュースで見る数々の痛ましい事件もそうですが
人々に中道の心があれば 怒ることも憎しむこともありません
勝利する必要がないゆえ 争うこともないのです
真の平和への願いは 声高らかに唱えるものではないのです
その手段はただひとつ
自己の心をおさめること・・・
ブッダはそう説かれています

チュード???
それ 食べてみた~い。。。
チミは くう ねる だけか~い!
中道欠落犬サラっち (* ̄∇ ̄*)
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