2018/04/22 20:30


管理人が今読んでいる阿含経典の中で「歌舞伎聚落主」というお経がありまして

これがなかなか興味深いのでご紹介したいと思います


歌舞伎というのは今でいう芸能全般です

歌ったり踊ったり人の笑いをとったり芝居をしたり

まあ いわゆるエンターテインメントの類です

聚落主というのは村の長という意味でして

つまりは芸を生業とする人たちが住む村の長ということですね


今で言えば大手芸能プロダクションの社長に相当するんでしょうかね

この村長とブッダとの会話なんですが ちょっと今風に砕けた言い方に変えてみたいと思います


村長: ちょっとおシャカさまに聞きたいことあるんですけど…
わしのとこの村人は人に芸を見せ聞かせて人を楽しませて人を笑わせることによって生活しとりま
みんなそれを誇りに思っとりま
なので当然これら村人が死後に行く世界は笑いと喜びに満ちた天界に行くんでしょうね


ブッダ: 村長さんよ そんな質問を私にしないでくださいよ


村長: なんでですの おシャカさま 答えてくだされや


ブッダ: そんなん… 言いにくいですやん


村長: そんなこと言わんと… お願いやし答えてーな


ブッダ: そこまで言うのなら仕方ない… 答えてあげましょう


村長: やったー ありがとう おシャカさま で もちろん天国に行くんでっしゃろ?


ブッダ: 否! 村人たちが死後に行く世界は地獄界であ~る! まあ良くて畜生界かな?


村長: ええ~っ?! うそや~ん! ガ~ン(涙目)


ブッダ: そやから言いとうなかったんや…(-∧-;)


会話としてはこんな感じです

言っときます

信じる信じないは自由です

ただ ブッダは常に真理を説いていますし 阿含経典は初期仏教の経典なので信憑性は高いです

まあ 管理人も少しビックリ(⦿_⦿)でしたが・・・


ブッダが言うにはこういうことです

世の中の人々はただでさえ欲と怒りと愚かな思いにとらわれているというのに

それをさらに増長させるかのごとくあらぬ欲望をかりたて

また 真実をまねて下劣なる笑いを誘い

はたまた人々に怒りや暴力の心を生み出す要因ともなる芝居をする

このように人々の心を惑わすことによって生計を立てることはまことに卑しいことなのである


管理人が真っ先に思い出したのが

子供のころ観ていた ドリフの「8時だよ全員集合!」なる超人気お下劣番組 ( ∧皿∧ )

こんなん観てたらアホになるで~ とよく親から言われていました

もっとも そう言いながら親も笑って観ていましたが。。。

昔も今も テレビの影響力はとても大きいんですよね


今や業界にあふれるお笑い芸人はもちろん 芝居を演じる役者に対してもこれは言えるんです

昔のやくざ映画の高倉健さんにあこがれて本当にその筋の世界に入った人もいるでしょうし…

一時ブームになった「金妻」 いわゆる不倫もの?

それが堰を切ったかのごとく世の中も不倫が花盛りになりましたよね

何度も言っていることですが 不倫は不邪淫でこれまた地獄行きです(ll゚д゚ll)


「必殺仕事人」なんかは例として最高のものですね

欲にまみれた悪代官の餌食となった町娘の恨みを晴らすため藤田まことさんが居合でぶった斬るんです

これなんか 欲望と恨みと怒りと暴力のフルコースなんですよ

これが世間において人気シリーズであったということはですね

それを演じる人も製作する人もそして観る人も 欲と怒りと愚かな思いに囚われた人間だからなんですよ

でもなぜかそれが受けるんですよね

前回の仏教談義で述べたように苦から苦に変わる時が楽しく感じるカラクリと似ていますね

人間の醜い部分を刺激することによって受けるようにしているのです

逆にいえば人の醜い部分に一切触れないドラマなんて面白くもなんともないんです

そのように考えてみるとこのブッダの理屈も納得できますよね


まあ このブログを芸能人が見ているとは到底考えられないので

ここでもうひとつ ぶっちゃけます

ひとつの疑問 これらの芸や芝居を観て楽しんでいる私たちも地獄行きなのか?ということ…

答えは 否!

最初にあったように これによって生計を立てているというところがミソでして

これは仏教の実践である八正道のうちの「正命」=正しい生き方(正しい仕事)がその根拠となっています

仕事の内容っていうのは仏教的には結構重要なファクターなんです

芸のためなら女房も泣かす~ ってな歌ありましたね

まあこれは程度もんですけど

家族を泣かすような仕事って…ぜんぜん正しい仕事ではありませんよね

なので

観賞する側はあくまで趣味や娯楽の範囲内で息抜き的に面白おかしく楽しんでおれば何の問題もありません

心を惑わされないように毒されないようにしっかりブロックをしていればね

もちろん健さんの映画を観てやくざになって人を傷付けたりすれば地獄行きですが…


ブッダはひとつだけはっきりとさせています

芸が世の中を悪くすることはあれども良くすることはない…ってこと

これはここまでの解説でお分かりかと思います

管理人も映画を観るのは好きですが

余韻的に感動したり何かを考えさせられることは多々ありますが

それによって心を動かされることはまずありませんね

真に心を成長さすのは現実からしかないのです


とかく芸能界はどす黒い世界だとよく耳にします

でも そのひとりひとりは別個の人間

私生活では素晴らしい人格を持った人ももちろんおられます

このお経 管理人的見解で言わせてもらうと

村長や村人たちの思い上がった矜持(プライド)に対する戒めの意味もあるんでしょうね

人の喜怒哀楽を操作するような職業はあまりおススメできませんよ…的な

心優しいブッダはあまりそういうことは言いたくなかったのでしょう


まあ 管理人は芸能人にならなくてよかった(なれたんかい?)…なんて

このお経を読んでちょびっと変な安心?をしている次第です (・ω<)




芸はなくとも

癒されるんですよね~

このシトには(^ω^)・・・



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